西垣千春『老後の生活破綻』(2011年、中公新書)
数年前、ベストセラーになった藤田孝典『下流老人』(2015年、朝日新書)は、多くの高齢者がふとしたきっかけで生活困難に陥り、下流老人化となる可能性があると警鐘を鳴らした書籍であった。それに先立つ2011年に発行された本書の主張も同様である。しかし、藤田氏が社会実践家としての...
佐藤愛子『九十歳。何がめでたい』(2016年、小学館)
近年、高齢の女性作家によるエッセイが、ベストセラーの上位に必ずと言っていいほど顔を出している。この数年のベストセラーを見ると、下重暁子『家族という病』、曽野綾子『人間の分際』、渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』といったシニア女性作家によるタイトルが上位に並んでいる。(日販...