高齢社会やシニアマーケティングを考えるための参考書籍をご紹介します。
最新記事

November 20, 2017

 長年、葬儀やお墓分野での研究を続けてきた著者、小谷みどり氏による論考である。あとがきで、「私の今までの調査や研究の集大成」と述べている通り、新書にも関わらず、内容は極めて数多くの調査データや事例に裏打ちされて、現在の葬儀とお墓の動向人々のこの分野に関する意識を知りたければ、この一冊を読むだけで十分といった充実ぶりである。

 葬儀やお墓に関わる人々の意識は、近年大きく変化してきている。著者によると、従来は生きている人が葬儀やお墓について語ることは少なかったが、長寿化が進み、家族のあり方も変化し、一人暮らしが増加した1990年前後からこ...

November 10, 2017

 秋田県北部にある藤里町、人口3600人、高齢化率42%の小さな町、藤里町が一気に全国的に有名になったのは、その町の福祉協議会が、引きこもりの就労支援にいち早く取り組み、一定の成果を収めたからである。

 社協として就労支援訓練の場として飲食店「こみっと」を経営し、引きこもりの若者にそば打ちを指導する。さらには、そこで作られた地元の白神まいたけ入りのキッシュを通信販売する。そんなユニークなケースが注目を集め、個々の活動は、NHK「クローズアップ現代」や週刊ダイヤモンドをはじめ、多くのメディアで取り上げられた。その活動は『引きこもり、町お...

November 10, 2017

 

 本書が対象とする心理技法はロジャースの来談者中心療法である。ロジャースは、カウンセラーの態度条件に、(1)自己一致、(2)無条件の肯定的関心、(3)共感的理解が重要と指摘する。クライアントが表現できない感情を共感的に理解し、カウンセラーが言語化し、明確にすることが、来談者中心療法のカギである。

 本書は、この一見、簡単そうに見えるこの技法を臨床実践で使用する際に潜む困難性と奥深さを語っている。本書を読んで印象に残ったポイントは次の点である。

  • 共感するということは、ただ単純に相手の語る言葉をおうむ返しに返すことではない。クライ...

November 8, 2017

 本書は、栃木県で独立型社会福祉士、ソーシャルワーカーとして活動を続けられている永島徹氏の彼自身の活動から得た実践的「認知症ケア」論である。

 タイトルになっている「必察」は、著者永島氏の造語で、認知症ケアを実践する際の最重要ワード、すなわち「相手の思いを察する」ことを意味している。

 本書で一貫して語られる著者の主張は、介護ケア、認知症ケアに対して向き合う際には、物理的な介護援助技法や認知症ケア技法のみを習得するのではなく、その人の生活そのものを援助・介護していくという姿勢を持つことが重要であるという主張である。

 認知症ケアに対する向...

November 7, 2017

 

上野千鶴子のベストセラー『おひとりさまの老後』の発売は2007年。この年に日本人の高齢化率は21%を越え、当時「おひとりさま」は多くの人々の関心を集めた。

 本書『40才からの老いの探検学』は、それに先立つ17年前、彼女による(おそらく)初めての高齢者をテーマとした書籍である。発売当時(1990年)の高齢化率はわずか12.1%。その後の「各種高齢化問題」は、介護問題を除けば、さほど表面化していなかった当時、このテーマに着目したあたり、彼女には先見の明があった。

 本書では、各分野の識者との対談を通じて日本における高齢社会の未来像を描き...

November 2, 2017

 L70とは70代女性のことである。70歳以上の女性が消費の主役になるという本書のサブタイトル主張を本文から要約すると以下の通りになる。

・人口減少社会の中、70歳以上の人口はこれから大幅に増える

・女性の方が寿命が長いため、70歳以上は女性が中心(L70)になる

・70代の8割は健康で、悩みもストレスも少ないひとたちだ

・L70の中には他の人たちよりも“モノやサービスを高く買ってくれる”人が多い

・今後、L70は次第に高学歴の人が増えてくる。高学歴化がすすむにつれ旅行、趣味・娯楽、教養・学習に対する消費が伸びるはずだ。

 このような主張を筆者...

November 2, 2017

 

 本書は、吉本隆明による自らの老いの観察記録である。年、彼自身「老いる」ことに対して関心が高まったようで、本書を刊行した2009年(82歳)以前にも、2000年(76歳)に『<老い>の現在進行形』(春秋社)、2002年(78歳)に『老いの流儀』(NHK出版)を刊行している。本書は、82歳時点で老いや高齢期の生活に対する吉本隆明へのインタビューの形式を取って綴られている。

 老いについて吉本隆明が語るとこのようになる。

 「身体の運動性がにぶくなってくるとともに、精神現象が身体に対して内向してくる。(…)そして、内向の程度が精神の動きの...

Please reload

Please reload

アーカイブ
Please reload

タグから検索
Please reload

ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square